どちらの道に進むか、来る日も来る日も思い悩みました。

よく考えたら、退職して勉強に専念したからといって合格できる保証などどこにもありませんでした。

最終的には、高杉良氏のノンフィクション小説「生命燃ゆ」の化学プラントエンジニアである主人公が、白血病で亡くなるときに言った、「未練はあるが、悔いはなし」のように、自分も悔いの残らない道を進みたいと考えたため、退職して専念する道を選びました。

そして、日本にいる上司にその旨を伝え、日本へ戻り、約1か月かけて引き継ぎ業務を行い、2004年のゴールデンウィークから勉強に専念しました。2004年の試験まであと3か月ほどしかありませんでした。

上司に退職理由を聞かれ、「不動産鑑定士、公認会計士の両試験の勉強に専念したいので退職させてほしい」旨の話をしたところ、非常に驚かれたのが印象的でした。

「35歳を過ぎたいい大人が、自分で何を言っているのか分かっているのか」、「正気なのか?」とおそらく思われたと思いますが、私は正気でした。

そして、2004年に、なんとか不動産鑑定士第二次試験に合格することができました。

不動産鑑定士第二次試験は、前年の2003年は、合格者336人、合格率13.4%だったものが、2004年は、合格者224人、合格率10.6%(2005年は、合格者170人、合格率7.4%)と2006年の新試験制度へ向けて、難化していく過渡期にありました。当然、2004年の受験当時は、そんなことは分かりませんでした。

全答練で総合B判定の成績だったので、合格も決して手が届かないものではないと思っていましたが、合格発表を見て、「合格者が前年より100人以上減っているにもかかわらず、よく合格できたものだ」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。

不動産鑑定士については、合格体験記を書く機会を与えて頂くことができました。                               

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