専門学校で使用したテキスト、問題集、答練をスーツケースにつめ込んで、インドのムンバイに行きましたが、よく考えると、2004年の試験の日までに日本に戻ってこられる保証などどこにもないことに気付きました。

というのも、インドでの設計業務が遅々として進んでいなかったからでした。

先方の担当者にこちらが、設計者が足りないなら、設計者を増やして作業を急ぐように言うと、「よその会社の人間が、自社の体制に口出しをするな」や「設計者を増やしてほしいならお金を追加で支払ってくれ」と言われる始末でした。

どこの国でもそうですが、友人として付き合う分には、まったく問題ないのですが、仕事になると皆非常にシビアでした。彼らも利益を出さないといけない以上、当然と言えば当然でした。

自分自身、残業、休日出勤で少しでも遅れを取り戻そうとする日々が続き、テキストなどを見る時間はほとんどありませんでした。

インドでは、ホテルに滞在していたのですが、このままいくと、「2004年の試験は、仮に受験できたとしても合格はあり得ないな」、「2005年はシンガポールの現地に行くことになるだろうから、この年も無理だな」、「2006年はどうなっているかな?」といったことが脳裏をよぎり、試験勉強を断念しようと思ったことが何度もありました。

そして、選択肢は、二つに絞られました。一つは、退職して、不動産鑑定士試験に専念すること、もう一つは、不動産鑑定士試験の勉強を断念して、このまま会社に残ること。

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